今日も問いかける。
沼畑直樹

ベッドに座り、本棚を見て問いかける。

「あの本は捨てられるんじゃないか」   その問いを何度も繰り返して、シェイプアップしてきているので、最近は捨てる本は少ない。

それでも、この週末は奮起してトランクいっぱいにした。

リビングは、生活臭をなくすことを目的としている。 となると、最後の戦いの場はリビングの角にある洗面台だ。

ここには強敵が多い。 歯ブラシ、石けん、香水が台の上に出ていて、棚には籠にさまざまなものが入っている。 化粧品、クリーム、トイレの掃除系…。

要するに、洗面台近くにあると便利なものだ。

これらを4つの箱に、ふたなしで置いていた。 そのせいか、整理をしても自然と中は増えていき、ごちゃごちゃになる。

いつか、きれいな箱を買って、整理しよう。

そう思いつつ、時は過ぎていった。

そして今週末、思いつきで、 ひとつの箱を整理して、玄関に移動した。 ショック療法みたいなものだ。 強引に箱を減らした。

すると、家族が動いた。 少しずつ、整理がはじまった。 一度はじまると、それは加速していく。   無印で蓋つきの箱を買い、2段あるうちの上の段に置いた。 台には、洗面と関係ない本をあえて置いた。 何も置かなくてもいいが、生活感をなくすという意味で試しに置いた。

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これが今の状態。前の写真がないから比較できないが、今考えると「前」は酷かった。

これでだいぶ、生活臭は消えた。 キリキリと、部屋がひきしまる。

仕事机には、書類を置かない。 仕事の臭いがするからだ。 仕事の臭いがしないと、仕事がしたくなる。   テレビの下の棚にあった本を一度寝室に移動して、最近事情があって戻した。

すると、生活感が出てきた。 好きな本であればあるほど、「自分の家」感が出てくる。 嫌だ。

洗面台には本を置き、テレビの下は空にする。 キッチンには食べ物に関するものを置かず、と逆なことをしていると、ホテル感が出てきて気持ちがいい。

便利さはすでに失われている。 さて、テレビの下の本に問いかけるか。

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この記事を書いた人

『最小限主義。』、写真集『ジヴェリ』『パールロード』他(Rem York Maash Haas名義)、旅ガイド『スロウリィクロアチア』他

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