冒険者ミニマリズム。 映画『LIFE!/ライフ』
沼畑直樹

冒険する人は清々しい。

テントの中やホテルの部屋は物から切り離されたミニマリズムだが、冒険する人のミニマリズムさは違う。

彼らのミニマリズムさは、人間関係だ。

山に登る人、海に向かう人。 冒険の度合いが強いほど、その清々しさは増す。

冒険者の関心は自然にあり、ひと一人と自然とが向き合っているからだ。 だから冒険者が人と向き合ったとき、人間同士の細かくせわしない事柄や人間関係は小さいものとなる。

人間が人間同士で見つめ合いすぎると、いつか窮屈になってしまう。 愛情が強く、自分を捨てて相手のために何かをしてしまうと、何か面倒なことになる。

自然と向き合い、「自分の限界を試す遊び」をしていれば、隣人の行動に惑わされることもない。 バイクに乗り大陸を横断する人。 息を止めて深く海に潜る人。 山を一人で歩く人。   今まで出来なかったことをする人。 今までの考え方を思い切って変える人。     私個人は、現在、まったく冒険者ではない。

高校生の時はオフロードバイクで一人山の中へ入ってキャンプをしていたが、 都会的な営みである絵の勉強をして、途中でやはり逃げ出した。

久米島の海でジャック・マイヨールに憧れて潜り、サーフボードに乗ってずっと波が来るのを見ていた(落ちていた視力が完全に回復した)。

それ以来、冒険的な心を満たしてくれたのは、海外の一人旅ぐらいだ。

この原稿は予約投稿だから、公開されたときには日本にいない。 すこし慣れてしまった海外で、「自分の限界を試す遊び」を出来るかどうか。 もう一度計画を練り直してみる。

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この記事を書いた人

『最小限主義。』、写真集『ジヴェリ』『パールロード』他(Rem York Maash Haas名義)、旅ガイド『スロウリィクロアチア』他

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