Amazon Echoと習慣
佐々木典士

「声を出して何かをする」というのはとてもハードルが低い行為だ。

文章を書くのでも、パソコンのキーボードを打ったり、スマホをフリック入力するより、音声入力のほうが遥かに楽だ。

野口悠紀雄さんは膨大な著作があるが、最近は音声入力で執筆されていてそれについての著作「話すだけで書ける究極の文章法」もある。そうすると、ソファに寝転がりながらでも「書ける」ので仕事のやめどきがわからないそうだ。スマートスピーカーも同じで、何かすることのハードルが下がる。

 

Amazon Echoを買ってしばらく経った(ぼくのはAmazon Echo Plusというモデル)。Echoには「スキル」というアプリのようなものが膨大にあるが、今はもっぱらBluetoothスピーカーとしてと、「とっても優れたタイマー」として使用が落ちつき始めている。

 

スマホの音声入力との違い

 

ぼくの家は洗濯機が離れたところにあるので、終了時間がわからなくなり、たびたび洗濯物を干すのを忘れてしまっていた。今は、洗濯機に服を放り込んで部屋に入るとすぐに「アレクサ“洗濯物干す”を1時間後にリマインドして」と言っておく。すると1時間後にちゃんと“洗濯物干す”としてお知らせしてくれる。

 

もちろん、スマホでも同じことはできるのだが今までは洗濯物のためにポチポチとスマホを打ち込もうとは思わなかった。音声入力という点でSiriでも同じことはできるが、やはりいつも定位置にあって、マイクの質もいいスマートスピーカーとは違いがある。

 

時計やタイマーとして優秀

 

今までキッチンタイマーを使っていたのだが、これもAmazon Echoに置き換わりそうだ。「手がふさがる」筆頭は料理だと思うが、こういうシチュエーションだと音声入力は効果を発揮する。

 

「ゆでたまごタイマー10分セットして」と言うと、「10分のタイマー、ゆでたまごのタイマーをセットします」と応えてくれる。もちろん「12分のうどんタイマー」も同時に走らせることができるので、単なるキッチンタイマーより優秀だ。

 

戦略的二度寝」でも書いたように、1日に15分の短い睡眠をよく取るが、これも「アレクサ、15分後に起こして」と言えば楽に設定できるし、キャンセルも寝たままできる。

 

「アレクサ、今何時?」と夜中に目が覚めたときに時間を知る使い方も地味だが重宝している。置き時計だと音が気になる。スマホを手探りして見てしまうと、そこで余計な情報や明るさを見て目が冴えてしまう。だから音声だけで寝ながら時間を知れるのはいい。

 

自動で「消灯」できるといい

 

Amazon Echo Plusだと、PHILIPSのHue(ヒュー)というLED照明と簡単に連動できる。(Echoの他のモデルだとブリッジという装置が別に必要になってくる)。

明るさや色(蛍光色、電球色)を細かく音声で変えられる。未来感があって、しばらく遊べる。

 

 

ベッドに入って、寝た状態で、音声で照明を消す。もちろん夜中起きたときもリモコンやスイッチを手探りせずにすむ。

いまはタイマーで照明消すということができないが、近いうちにできたらいいなと思う。

 

朝早く起きるためには、何より寝る時間を決めること。何か楽しいことをしていても、タイマーで事前に設定していた時間に「消灯」ができればそこで諦めて寝やすくなるのではないか。

 

絶対的に必要なものではないし、スマートスピーカーを使って余計なことばかりをしていても仕方がない。しかし、うまく使えば「こう過ごしたい」と思う習慣を改善してくれると感じている。


Amazon Echo Plus スマートホームハブ内蔵

充電ではなく、コンセントから給電するので場所は定位置になる。

Amazonプライムの動画や、Amazonミュージックの音楽を聞くスピーカーとして、満足できる音質。

Spotifyには今後対応予定だそう(もちろん今も、スマホやパソコンを通してなら普通に聞ける)

 

Philips Hue(ヒュー) ホワイトグラデーション 口金直径26mm

どんな照明にもつけられて、それが調光可能になるところがいい。調光コントローラーや、調光のリモコンを使っていた頃とは隔世の感。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。