姫姉様 名古屋オフ会(1)
小屋暮らしと、パンケーキ

 

ついにこの日が来てしまったか……。
ミニマリストならば登らねばならない山がある。
ミニマリスト界のK2、姫姉様と会うのだ。

このオフ会に参加するかどうかは少し迷った。
だけど、ぼくの中の行動力の神がこういった。

「なあ、とにかく会ってみろよ。会ってから考えろよ。
お前は考えるだけ考えて、今まで結局何もしてこなかったよな?

とりあえず動け、自分。

『場違い』は、もはや存在しない。

参加の申し込みをして、名古屋にするっと出かけた。
いつでも身軽なミニマリストにとって、
東京⇔名古屋など、もはや隣町へのおでかけだ。

名古屋駅近くのナナちゃん人形で待ち合わせ。
ぼくが到着したときには、すでにメンバーの大半が集まっていた。
女性がほとんどで10名ぐらいだっただろうか。

男性はぼくを含めて2人。
巨漢でラッパー的なファッションの宇汰丸さん(今回の幹事。モノを減らして30kg痩せたという。今も痩せ続けてるみたい)とヒゲ面で、もはや中年の汚いぼく。

若い女性陣はみなキラキラとしている。憧れの姫姉様を間近に、なんとも言えない蒸気だった感じだ。

ぼくの中の恐怖心がささやいた。
「ほら、やっちまったな。お前は『場違い』ってやつだ。笑いものだな」

 

すぐにその恐怖心を打ち消す。
モノを捨てて、ぼくは恥知らずになれたのだ。

もはや、誰にどう思われようとどうでもいい。
自分がしたいと感じたことを、これからはする。

そして姫姉様との対面

(※注意。以下すべて妄想です)

佐々木 「はじめまして姫姉様、佐々木と申し…」

自己紹介をしかけたぼくの頬が、鋭い痛みと共に弾け飛ぶ。
いきなり姉様のビンタの洗礼だ。

姫姉様 「まず土下座!」

佐々木 「は?」

姫姉様 「早く! 土・下・座!」

佐々木 「それは、つまり姫姉様にでしょうか?」

姫姉様 「アホか! お前が今まで迷惑かけてきた、すべての女性に対してだよ!」

 

(※以下現実)

これぐらいのことがあってもおかしくない! と覚悟していたけど、実際は全然違い、優しい人だった。
姫姉様は自分から「姫姉様です」と自己紹介してくれた。
「自分で言うっていうね(笑)」とこちらの緊張をほぐしてくれる心配りも忘れない。

 

モテとカラス

1次会のカフェまでの道のり、早速いろいろお話した。
笑顔が魅力的な、チャーミングな女性。
頭の回転が早く、分析的な女性。
そして自分を下げて、笑いにできる女性だった。

そしてカフェでお茶。
1次会で帰ってしまう人もいるので、ちゃっかり陣取った姉様の隣をゆずる。

ぼくは幹事の宇汰丸さんとsandoniさんとでミニマリスト話。
話題は、小屋暮らし、車中泊、江戸時代の就業時間の短さ、カラスが食べられるかどうかについてなど。

宇汰丸さんはパンチある経歴の持ち主(すでにミニマリストの向こう側を経験済み)なので、今後のブログの展開が本当に楽しみだ。sandoniさんはきっぷの良いお姉さん、明るく楽しい人だった。

隣の女性グループはきっと「モテ貯金」の話題をしていたのだろう。
1つのテーブルに座るグループに、2つのまったく違う話題。
これが本当におもしろかった。

姉様はブルーベリー的なソースがかかったパンケーキを食べている。さすがだ。
そしてこちらでは小屋暮らし、カラスの食べ方について話している……。

姉様がおもしろいのは、寝袋で寝たり、生卵を飲んだりしつつ、モテを追求しているところだと思う。
両極端とも言えるベクトルが、1人のなかにある。

だから1つのオフ会で、1つのテーブルの隣同士でまったく逆方向の話題を話すことになる。
なんだかおもしろかった。

思い出した「非モテ道」

2次会の居酒屋では主に「モテ貯金」についての話。
姉様はカシスオレンジを注文。モテ道にまったく抜かりはない。

そこで話題になったものとして
・男性の「南ちゃん」幻想。女性の「タキシード仮面」幻想について。
・裏原系ファッション、パンクファッションの非モテについて。
・ぼくは知らなかったがDr.ユキコさんの著作、ユキコ道について

などが印象に残っている。

そういえば本を全部売ってしまったので忘れかけていたけど、ぼくは「THE RULES」、ジョン・グレイの著作、二村ヒトシさんの著作、岡田斗司夫さんの恋愛・結婚本、デイビッド・コープランドの「モテる技術」とかまでいろいろ読んでいた。湯山玲子さんの女性向けの本もよく読んでいた。

男性である自分の習性を理解し尽くし、自分とは違う女性の傾向も把握しようとしていたようだ。
恋愛の駆け引きみたいなものも知り尽くして、それを超えたところで何かしたいと思っていた。

こう書けば聞こえはいいが、要するに当時はモテないことに悩んでいたのだと思う。

だがこれではモテないだろう。行動せず、本を読んでただけ。ただの頭でっかちだったのだから。

お疲れさま、かつての自分。

この記事を書くまで忘れていた。すでにそういうことに枯れ始めているぼくも、かつて「モテ」に悩んでいたのだ。

「体を張る」ということ

話題は姉様の今後、沖縄移住の話に。
モリで魚を突いて生活して欲しいとか、好き勝手なことを言ってしまった。

姉様はブログで扱う話題の選び方もタブー知らずだ。賛否両論が当然出てくるだろう。

だけどぼくは今、そんな「オープンな人」に興味がある。「体を張っている人」に興味がある。怖がって何も行動していなかった今までのぼくとは、真逆のような人間だ。

ぼくも、大事なもののために体を張ろう。

失敗するだろうし、人からボロクソに言われることもあるだろう。

 

 

でももういい。失うものは、もはや何も持っていないのだから。

 

 

※オフ会に参加された方のブログ。お話できていない方もいるので、姉様のリンクのみ貼らせて頂きます。

 

 

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。