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「レディ・プレイヤー1」永遠の小学生
佐々木典士

Processed with Rookie Cam

「ターミネーター2」が公開されたときは確かまだ小学生で、父親に連れられて一緒に見たことを覚えている。初めて1人で見に行った映画は「バック・トゥ・ザ・フューチャーⅢ」だったような気がする。

そんな子どもの頃、映画の世界に没入して、とんでもなくワクワクしていた。映画は今も好きでよく見ているけど、そのワクワクしていた気持ちはどうやら感じていなかったのかな? と思わされるような作品だった。自分が抱えている問題を忘れ、子どもに戻って興奮した。

 

ぼくは、1979年生まれで今年39歳。

そのあたりに生まれた世代にはたまらん映画ではないだろうか。

映画からは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「キングコング」「ジュラシックパーク」「エイリアン」「シャイニング」

音楽はヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」。ビージーズの「ステイン・アライブ

ゲームは「ストリートファイターⅡ」「スペースインベーダー」「007ゴールデンアイ」

そして日本のポップカルチャーからは「AKIRA」「ストリートファイターⅡ」「ゴジラ」「ガンダム」

 

 

引用というかそのまま登場するし、オマージュがアホみたいな数あふれていて、初見では全然確認できなかった。

たとえばこんな感じ

https://cinema.ne.jp/recommend/readyplayerone2018042006/

http://www.monkey1119.com/entry/readyplayerone-easteregg

 

全編がカメオ出演で構成されている感じかな。

 

大人になってしまったので、それぞれの作品の「権利関係の確認」という仕事量を考えただけでも吐き気がしてくる。「監督はスティーブン・スピルバーグです」という文字が企画書に書いてなければ、実現できなかったと思う。

 

もう「豪華」という言葉では陳腐すぎて表現できないほど、豪華。

 

その豪華さで映画のなかで何をやるかというと、お気に入りの怪獣と超合金のロボットを両手に持って

「ウィーン、ガッシャーン!!」

「ギャオオオオ!!」

と戦わせるような感じ(笑)

 

小学生の子どもが、

「俺のレベルは99」

「完全バリアー!!」

と遊ぶそのままが、超精密なCGで再現される(笑)

 

 

メインの面白さはそこなのだが、批評しようと思ったら無限の切り口で語れると思う。

 

2045年、オハイオ州コロンバス。ドローンでピザが届けられたり、iPadが透明になっていたり、今予想されている技術は確かに実現している。しかし舞台は「シロップ不作と電波不足の暴動の後、人々は問題解決を諦めるようになった」後の未来。

 

主人公が住んでいる家はトレーラーハウスを雑に縦に積み上げたようなスラム。近所には、かつてのガソリン車が修理されることもなく積み上げられていて、もはやリサイクルする予算が行政にもない様子が映し出される。(ちなみに走る車の多くはコムス、i-MiEVやリーフなど日本製の電気自動車になっていていちいち芸が細かい)

 

1985年の人は「バック・トゥ・ザ・フューチャーⅡ」のようなきらびやかな未来を想像していたと思う。2018年の人が想像する未来の姿は「レディ・プレイヤー1」のほうに近いのではないだろうか。

 

人々は悲惨な現実ではなく、どんな素敵な姿形にもなれ、スキーや登山、戦争ごっこまでなんでもできるVRの中で楽しんでいる。「マトリックス」なら選択権はなかったかもしれないが、人々はVRで過ごすことを自分で選んでいる。

 

と、まぁいろいろある。

 

しかし、この作品をいちばん楽しめるのは間違いなく日本人だ。日本のキャラクターがクライマックスでいちばん活躍するので、なんかもうね……。予告編として公開されているけど、ネタバレでもあるのでちらっと見たい方だけどうぞ。

 

今日の予定が決まっていなければぜひ。

明日の予定があっても、仮病や早退などしてぜひ。

 

元ネタを知っていれば知っているほどニヤリとできるけど、たとえまったく知らなくても楽しめると思う。

 

映画ではなく「今年新しく発明されたエンターテイメント」にふれている感じ。

 

「スラムダンク」読んだことない人はこれからあれを楽しめるなんていいなと、逆に羨ましくなったりするのだがそれと同じ。まだ見てない人が羨ましい。

 

何か問題を抱えていても、確実に数時間はどうでもよくなります。

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