「目標」と「指標」の違い
佐々木典士

「目標」と「指標」の違いには意識的になっている。

 

 

前回参加したマラソンでは、4時間切り(サブフォー)を目指していたがこれは指標だと捉えていた。走ることの目標は「健康的な体を維持する運動習慣」「意欲的に他のことにも取り組める体力づくり」「毎日の楽しみ」というようなもの。

 

 

走ることの目標を「フルマラソンを走ること」「サブフォーの達成」などに設定してしまうと、目標を達成したときに燃え尽きたり、やる気がなくなってしまう。

 

そうなるだろうと思っていたが、サブフォーなんて、走った翌日には新たな基準として自分に取り込まれて当たり前になってしまった。RPGでレベル10になったからといって、そのことを長く喜べるわけではないのと同じで、次のレベルのことをすぐに考え出す。目標タイムなんて、せいぜい毎日走るモチベーションのスパイスに使えるようなものだと思う。これは英語におけるTOEICの点数でもなんでもそうだと思う。

 

 

テスラの目標は「採掘して燃やす炭素経済から、太陽光発電経済への移行の促進に役立つこと」であるそうで、モデル3を何台売るとかいうのはそのためのステップであり指標。Googleの目標は「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」。

 

 

目標は遠い先にあるもので、しかも達成したら終わりが来るようなものではない。ミニマリストになることを目標としていて、捨てるものがなくなったときに虚無感を感じた。みたいな話もたまに聞くが同じようなこと。

 

 

ミニマリストもあくまで指標で「自分がやりたいことのために快適な環境を整える」「毎日穏やかに過ごすために生活を簡単にする」というようなことが本当は目標になるんだろうと思う。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。