エッセイ– category –
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エッセイ
大きな石を置くこと 佐々木典士
大きな石を置いて、取り返しをつかなくする 平安時代の『作庭記』には「まず石を置いてしまう」ことが肝要だと書かれているそうだ(千葉雅也、山内朋樹、読書猿、瀬下翔太『ライティングの哲学──書けない悩みのための執筆論』P105)。何もない空っぽの場所... -
エッセイ
コンプレックスが形作る個性 佐々木典士
コンプレックスを修正すると似通う 顔のパーツの理想形というのは、なぜか似通っている。高い鼻筋、細い顎、並行二重、整った歯並び。だから理想に近づけようと手術していくと、同じような顔が量産されてしまうことになる。どこかの国では、ミスコンの出場... -
エッセイ
修行そのものが悟り 佐々木典士
一週間に一度ぐらいはサウナに入りにお風呂に行く。でも、ここしばらくものすごく「ととのう」という体験をしていない。 最初にぼくがサウナを体験したのは℃(ドシー)というゲストハウスとサウナが一体化した施設だった。ロウリュもあり、よく考えら... -
エッセイ
子猫がすべてをなぎ倒す 佐々木典士
積み上げられたタイヤの中で 友人からLINEが入る。ぼくが住んでいるアパートの敷地で、子猫が見つかり、ずっと鳴いているという。日本みたいに、野良猫、野良犬はかたっぱしから捕獲!という感じでは全然ないフィリピン。だからそういう動物はたくさんいて... -
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良い映画と良い人生の共通点 佐々木典士
良い映画を見ていると、エンドロールの前に「充分に元は取ったな」と思い、映画館の座席を立ち去ってしまってもいいような感覚に襲われる。 最近では、タランティーノの新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 」がそういう映画だった。60年... -
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たとえつぶやきがバズっても 佐々木典士
カシューナッツ&カシューフルーツについてのつぶやきがバズった。 https://twitter.com/minimalandism/status/1140567520102846466 これはフィリピンの先生から授業中に雑談で教えてもらった。フィリピン人なら、カシューフルーツはみんな知っているそう... -
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日本人は常時「円」使用 佐々木典士
フィリピンのスーパーやデパートのレジ前で並んでいると、フィリピンの女性に順番を抜かされたことが2度あった。セブの空港でタクシーを待つ列でも、欧米人らしき男性がぼくの前に前に出てこようとする。 でも彼女たちに悪気はないようだったし、特に急い... -
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我慢を強いない国
佐々木典士外国を旅すると、その国のいいところばかりが目に入ってくる。もちろん住めばまた違うだろう。しかし、自分の国の残念な点がやはり気になってしまう。 今回は6泊9日のトルコ旅行。ニューヨークと同じく、ラッシュ時のイスタンブールは渋滞してい... -
エッセイ
たおやかな性愛
佐々木典士肌の触れ合いや、充実したセックスをした後の満たされた気持ち。 それは他のものではなかなか代替できないと思う。VRのポルノメディアはこれからさらに進化していくと思うが、同じように再現するのは難しいだろう。 その満たされた気持ちは... -
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自由と解放、自由と必然
佐々木典士ぼくの地元、香川で國分功一郎さんが「自由」について論じる講演会に参加してきた。とても濃くかつわかりやすい講義だった。その一端だが、少しまとめておこうと思う。 「ぼくたちは習慣で、できている。」は、國分さんの「暇と退屈の倫理学」、「中動態の...