書評– category –
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書評
鶴見済『人間関係を半分降りる──気楽なつながりの作り方』 人間関係の幻影を明らかにする 佐々木典士
この爽快感、この喉越し! 読みはじめて30ページぐらいで、一杯目のビールを飲んだ時の感覚を思い出した。お酒は飲んでいないので、ビールの味は忘れてしまった。ただ一杯目のビールを目の前にして喉を鳴らし、いざ一口飲んだ時の「ぷはぁ」「これこれ」と... -
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伊藤洋志『イドコロをつくる』〜正気を保ちつつ、凌いでいく〜 佐々木典士
コミュニティは大事なのだけど イドコロとは、自分が落ち着けて、世の中の精神攻撃から受けた傷を回復したり、活力を取り戻せる場所。 なぜそういうものが必要かと言えば、今が乱世だから。終身雇用制や、核家族など今まである程度はうまくいっていた... -
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pha『夜のこと』〜粘土のすること〜 佐々木典士
おっぱいというのは、見てるとすごくさわりたくなるのに、実際にさわると二分ぐらいで飽きてしまう。『Ⅱ』 Phaさんの書くものの魅力は、簡素な文体でみんながどこかで認識してはいるがはっきりと口に出してはいないようことをあっけらかんと言い当ててし... -
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近内悠太『世界は贈与でできている』〜贈与が生む意志力〜 佐々木典士
「交換」が覆い尽くす社会 日本の地方を車やバイクで走っていると、どんな辺鄙な場所に行っても山にはトンネルが開き、道路は舗装されていて安全に走れることに驚く。山に登れば、登山道が整備され、石を積み上げて階段が作られ危険が避けられる。 この本... -
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ヤマザキOKコンピュータ『くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話』〜金より大事なものを守るための投資〜 佐々木典士
著者のヤマザキOKコンピュータ(さん付けも違和感あるし長いので愛称のヤマコンで)とは、「ぼく習」を出版する直前ぐらいに大阪で一度会ったことがある。「途中でやめる」の山下陽光さんがつないでくれたご縁だ。サバイブというメディアで書かれている記... -
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宮下洋一『安楽死を遂げるまで/安楽死を遂げた日本人』 〜結果に優先する納得〜 佐々木典士
素朴な賛成派だった ぼくは人生に対する満足感は、人生が終わる時に来るのではないと思っている。(このことは前にもブログで書いた)いままで行ってきたことが、臨終の間際に採点されて、結果「いい人生でした!」と誰かに認められるわけではない。やりた... -
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ゆっくり食べる秘訣
佐々木典士痩せている人はたいてい、食べるのがゆっくりですよね。 食事をよく噛んで、ゆっくり食べるのがぼくの長年の課題でした。 ・ひと口30回噛む ・ひと口ごとに箸を置く などいろいろな方法はありますが、すぐに実践を忘れてしまい習慣にできるまでに至りま... -
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「戦略的二度寝」
佐々木典士編集者時代に、本当に追い詰められたときはこんな働き方をしていた。 11:00に出社したら18:00まで働く。 そして家に一旦帰り、1時間ほど寝る。また出社し 20:00から03:00まで働く。 これで7時間+7時間の仕事ができる。 途中で寝... -
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仕事をいちばんの楽しみにする
佐々木典士習慣に強い興味を持ったきっかけは、 チャールズ・デュヒッグの『習慣の力』という本を2年前に読んだことだった。 「HOW I WORK」という人気の連載があって、 そのチャールズ・デュヒッグが仕事術について語っている。 彼は8~10時間は... -
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國分功一郎「中動態の世界」〜意志の発生〜
佐々木典士能動態と受動態、する/される、という区別は普遍的なものではなく、むしろ歴史としては新しいものであるらしい。 かつて、能動態でも受動態でもない「中動態」が存在していた。 この本を手に取ったのは、ぼくの今のテーマが習慣だか...