「戦略的二度寝」
佐々木典士

編集者時代に、本当に追い詰められたときはこんな働き方をしていた。

 

11:00に出社したら18:00まで働く。

そして家に一旦帰り、1時間ほど寝る。また出社し

20:00から03:00まで働く。

これで7時間+7時間の仕事ができる。

 

 

途中で寝るので、疲れや眠さもある程度防げる。

合言葉は「1日を2度生きる!!」

もうやりたくないし、仕事してない間は寝るだけなので、世間のニュースなどは一切わからなくなってくる。

 

 

今は、朝を2回生きている。

朝は頭がすっきりし、1日の時間が経過するごとに増えていく雑事もあまりない。

いちばんクリエイティブな時間だと思う。起きたてのぼんやり感をうまく創造に結びつけているひともいる。

 

 

ぼくが起きるのは05:30。

図書館に出社するのは09:30で、それまでヨガしたり、ブログ書いたり、英語を話したりしていると少々疲れも出てくる。そこで最近は、図書館に行く前にもう一度寝ている。タイマーをかけてきっかり15分寝る。

 

これを「戦略的二度寝」と呼んでいる。

 

 

これがいいのは、もちろんすごくすっきりするので、図書館でのメインの仕事がはかどるということ。そして、一度目起きるとき多少眠くても「あとで二度寝できるし!」と思えて踏ん張りがきく。うまく眠れないときがあっても、この二度寝でかなり回復する。

 

15分はそれ以上寝たいとも思わず、すっきり起きれる単位のようで昼寝のときも一緒。

 

 

天才たちの日課』を読んでいたら、アメリカの小説家ニコルソン・ベイカーが同じようなことをやっていた。

 

最近では、一日に朝を二回、ひねり出すわざを開発した。「僕の標準的な一日は、午前四時 から四 時半に起きて、少し書く。コーヒーをいれるときもあれば、いれないときもある。 一時間半ほど書いたら、すごく眠くなってくるので、もう一回寝て八時半ごろに起きる」。 二度目に起きたあとは、妻と話しながらまたコーヒーを飲んで、ピーナッツバター& ジャムサンドを食べて、また執筆に戻る。

 

最近ではパワーナップなんて呼ばれたりするけど昼寝や短い睡眠は本当に重要だと思う。頭のすっきりさが全然違うし意志力も回復する。

 

万が一ぼくが会社を作ることになったらまず第一に「おひるねルームをどうやって確保するか」を最優先にする!! と二度寝した後の頭で考えたりしている。

 


 

メイソン・カリー『天才たちの日課』

カフカ、アガサ・クリスティー、ピカソ、村上春樹、ダーウィン、ショパンなど161人の偉人、天才たちがどんな生活や仕事のスタイルを取っていたのかがわかってとてもおもしろい。ひとりひとりはとてもコンパクトにまとめられていて読みやすい。

ほとんどの人が朝型。そして昼寝と散歩をしている人がこんなに多いとは。作家や芸術家でもインスピレーションを信じていない人も多く、毎日ちゃんと決まった時間仕事をするのが大事だと。我が意を得たり! と思った本。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。