1年後のミニマリズム②
〜ミニマリズムは完成しない〜
佐々木典士

モノの量に関して「リバウンドはしてないんですか?」と聞かれることがよくあります。パッと見て、ぼくの部屋のモノは増えていませんが、興味のあるアウトドアのグッズはたくさん増えました。アウトドア用の服は一式揃えましたし、迷っていたテントなども、地震に背中を押されたこともあり購入しました。どれも選ぶのに時間がかかり、本当に自分はモノが好きなんだなと、改めて思いました。

最近買ったモノいろいろ

そういえば、エアリーマットレスの5cmのものはフローリング直置きしていると、腰のへたりが気になったので、9cmのものに変更しました。体重や床の状況もあると思いますので、念のため。

どれも吟味した上で本当に必要だと思えば増やしています。ミニマリストは今まで軽んじられてきた、「ないメリット」についてとても詳しくなっています。ですがそのないメリットと、あるメリットを比べて、あるメリットのほうが大きければ今後もモノの量にこだわらず増やしていくと思います。

そういえば、ヨガマットも買いました! ヨガワークスのプラネット サダナ。ヨガについてはまた書きたいと思いますが、本当に買ってよかったと思っています。

モノについての勘違い

モノに関してはひとつ勘違いしていたことがありました。
自分にとって必要なモノ以外は手放せたとき、
「これでモノの悩みからは解放される」とどこかで考えていた節があったことです。

実際には、同じシャツでもくたびれていくので、買い直すことになったり、「一生白いTシャツだけ着ていればいいのだ、便利!」と去年は思っていたのですが、今年はグレーのTシャツも着ていたり笑、まだ試行錯誤は続いています。

モノに煩わされることは減りましたが、そのときどきで必要なモノは出てきます。
「本当にこれは必要なモノだ」と思っているにもかかわらず、「いや自分はミニマリストなのだからガマンだ」というのはおかしな話だとも思っています。必要なモノの種類も量も、生き方や家族構成が変われば、当然変わります。

ぼくは今後、スーツケースひとつだけの荷物になることもあるでしょうし、逆に大きなトラクターを買ったりすることもあるかもしれません。「最小限」は生き方に合わせて、伸び縮みするからです。誰かが決めるものでなく、その人の今の「最小限」を自分で決めるのです。

すべては変化する

「すべては変化する、という事実だけが不変だ」とどこかで聞きました。
この意味で、ミニマリズムもどこかで完成するということはありません。

「ぼくモノ」にも書いたとおり、幸せに「なる」ことはできず、幸せを「感じる」ことしか人はできないと思います。これと同じで、ミニマリズムも達成するものではなく、変化し、更新を続けていくものなのだと、気づいたのです。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。