ぼくたちに、もうモノは必要ない。 佐々木典士

ぼくたちに、もうモノは必要ない。     本当に必要なものは少しだけ。 ものが少ないことは、いいことづくめ。

 

それに気づいたひとたちが今、一斉にミニマリスト(最小限主義者)のライフスタイルを模索し始めている。 今までぼくたちは、できるだけ多くのものを手に入れようとしてきた。

 

そして手に入れたものを収められる、できるだけ大きな家に住もうとし、それを買えるほどのたくさんのお金を懸命に追い求めてきた。

 

多ければ多いほど、安心できる、より便利になる、自分と何より人様の目に麗しい。

 

仕方がない、それが「幸せ」だとみんなで共謀して、押し付けあってきたのだから。

 

もっともっと多く、それを求めて報われる時代はもう終わった。

「成長」は終わり、技術の革新もどんどん歩みを遅めている。

 

そんな時代に得られないものを求めていても、みじめな気持ちに、不幸になるだけだ。

 

今ぼくたちに必要なのは、何が本当に必要なものなのか、自分自身で考えてみることだ。

 

他人の視線ばかり気にした、雑音だらけの生活から、自分の声に耳を澄ませること。

 

最小限にしてみる。

 

これはつまり「幸せ」について、もう一度考え始めることだ。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。