ミニマリストの「リフューズ」力
佐々木典士

スーパーではエコバッグ持参。すでに容器に入っているものをさらにビニール袋で包んでくれようとするのでそれは断る。いろんなところで聞かれるポイントカードも持っていない。

 

 

街中で配られているチラシも基本受け取らない。

 

そういえば『もたない男』の中崎タツヤさんが、ティッシュを受け取ることがあるとしたら、今まさに鼻水が垂れようとしているその時だけだと書いていたのが面白かったですね。

 

 

デジタルでもダイレクトメールは受け取らない。知らないうちに加入させられているものは速攻で解除。

 

 

これはぼくの場合ですが、思えばミニマリストはこんな風に「断る」ことが鍛えられているのではないかと思います。家にも頭のなかにも必要でないものはむやみに持ち込みたくないからです。

 

 

モノを減らすだけでなく、ぼくはいつしか自分の生活から出るごみも減らしたいと思うようになりました。

 

ごみを減らすための5R

 

家庭から出るごみが、1年でビン1つだったという『ゼロ・ウェイスト・ホーム』のベアジョンソンさんは、ごみを減らすためのステップとして

 

・Refuse(断る)

・Reduce(減らす)

・Reuse(繰り返し使う)

・Recycle(リサイクル)

・Rot(残りは堆肥化)

 

の5Rをあげています。(通常は4Rで堆肥化が入っているのが面白いですが、これは重要なところ)

 

 

断り、減らすことでまず発生を防ぐ。

繰り返し使うことで、消費を配慮する。

リサイクルと、堆肥化はごみになってしまったものをどうするかということ。

 

 

つまり5Rは上から順に実行することが重要だと述べています。

たとえばリサイクルには不確定要素があり、コストやエネルギーがかかる。

だからリサイクルは、次善策なのです。

 

 

ごみを減らすためには、その入り口を狭めること。

まず何よりも「断る」ことが大事。

 

 

エコに生きるためにはそれなりの場所とモノが必要だったりしますが、ミニマリストならばこの断る力はまず育っているのではないかと思います。

 

 

誰かからのプレゼントを手放すことが、好意を踏みにじることではないことと同様に、

断ることも好意を踏みにじることではないと伝わるといいですね。

 

 

これがあったほうが便利でしょ、お得ですよ。

という好意自体は、いつもありがたく受け取っています。

 


 

ベア・ジョンソン『ゼロ・ウェイスト・ホーム』

ごみを減らすための悪戦苦闘が参考に。訳者による日本向けのサービスがしっかり追加解説されているところも丁寧でありがたい。

 

中崎タツヤ『もたない男』

モノと思い出は別、ということを教えてくれた本。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。