ベランダ用BBQグリル台がもたらす夜のミニマリズム。
沼畑直樹

夜のミニマリズム

 

 

私はすっかり、夜空にも魅せられている。

夜の空は、意識しないと味わえない。

一度、習慣として取り入れると、こんなに素敵な過ごし方はない。

きっかけは、今年の夏のキャンプ。

奥秩父で味わった夜は、ただの山奥で火を囲んで寝るまで過ごすという行為だけども、本当に幸福感を感じた。

テントという空間に期待していた私だったけれども、テントよりも、火を囲んで過ごす時間に偉大さを感じたのだった。

 

場所は、望んでいた高原ではない、本当にただの山奥。

それが、都会から隔絶された場所であるというミニマリズムを感じ、さらに人々が寝静まる夜というミニマリズム感が凄いと恐れ入った。

以来、ベランダで夜と夜空を楽しんでいる。

それで、BBQグリル台を買った。

黒のスチールでマットな質感が素敵な台で、普段はノートブックのように折りたたんでおける。

キャンプが好きになってモノが増えすぎるのは嫌だけども、このグリル台はいい。

台自体がミニマリズムでもなんでもないけれども、これをベランダに置いておけば、それだけでぐっと夜の質感が上がるのだ。

本当なら炭火を置きたいが、それはキャンプのときにとっておくとして、家ではろうそくを置き、横にコーヒーを置く。

見上げれば星空(今夜は曇り空)。

 

これが前に使っていたごく普通なBBQ台だと、まったく盛り上がらない。

黒くてシンプルなデザインのこれなら、なぜだか盛り上がる。

 

モノを減らすために買ったモノではないけれど、夜のミニマリズムを毎晩楽しむために最適なモノ。

私のベランダはしばらく、これでいきます。

 

 

night

商品はTHE NORTH FACEのNOTEBOOK BLACK SMALL。

これより大きいのはステンレスで錆びにくく、手入れが楽。

私のはスチールなので、雨に濡れたままでほうっておくとすぐに錆びる。

丸い黒スチールの焚き火台が欲しいモノのイメージだったけど、焚き火よりは炭火で火を感じたいので、グリル台でシンプル・ワイルドなものが欲しかった。

 

 

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

『最小限主義。』、写真集『ジヴェリ』『パールロード』他(Rem York Maash Haas名義)、旅ガイド『スロウリィクロアチア』他

メール info@tablemagazines.com