旅と習慣
佐々木典士

2泊3日の旅を終えて京都に戻ってきた。

旅先だといつもと違う環境なので

できない習慣はある。

 

 

そこでも守るべき習慣としてはやはり早起きだと思う。

道具がなくても、どこでもできるからだ。

 

 

早起きしていると、旅の朝早い電車に乗るためにいつもと違う時間に起きて……

というプレッシャーもない。特別な「早起き」もほとんど存在しなくなる。

 

 

帰ってきても、起きる時間が同じならばそこからまたスタートできる。

やはり早起きは先鋒であり、大将だ。

そして「ふっかつのじゅもん」をしっかり残せていれば、同じように再開できる。

 

 

あんなに旅が好きだったのに、習慣を実践していると少し足が遠のいた。

習慣の仕組みが強固でないうちは、旅で習慣が崩れる可能性を感じたからだ。

 

 

しかし、崩れてしまうのではと不安になっているうちは、まだ習慣が身に付いていないとも言える。

ミニマリズムのゴールは、「ミニマリズムを実践しています」と意識しなくなったときではないかと思う。意識せずともした行動にミニマリズムが宿っているようなとき。

 

 

習慣のゴールも同じ。「崩れるかどうか心配」なうちはまだ身に付いていない。

 

多少例外はあっても、「この程度のことで続けてきたことをやめるはずがない」という自信ができたとき、そして習慣とすら意識せず、ただ続いてるような状態が本当の習慣の合図かもしれない。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。