音のミニマリズム
沼畑直樹

音というか、生活音のミニマリズム。

今は午後。

娘が寝室で、お昼寝。午睡している。

 

朝、熱が出て保育園を休んだ。

熱はあるが元気、だがしかし、しっかり昼寝してほしい。

 

眠れるときは、3時間くらい眠るときもある。

条件付きで。

音を立てないことだ。

 

 

寝室で娘を寝かしつけて、ドアを開けておくと、いかにリビングの生活音がうるさいかがわかる。

妻がキッチンで物を出したりしまったりする度に、寝たばかりの娘が起きてしまうのではないかとハラハラする。

 

昼寝のときも同じで、リビングで普通に暮らしていると、すぐに娘は生活音に反応して目を覚ます。

 

だから、私が一人でリビングにいるときは、できるだけ無音にしようと心がける。

そっと歩き、そっとドアをしめる。

テレビもつけず、とにかく音を立てない。

 

お茶を淹れるときは、大変だ。

ホーローのポットを取り出したり、蓋を開けたりするたびに「カチャ」と大きな金属音がする。

だから、ゆっくり動く。

 

それが、丁寧な所作のように自然になるときがあり、面白い。

歩くときのすり足、急がない動作。

いつもの自分と随分違う。

 

生活音のミニマリズムは、ちょっと奥深いかもしれない。

 

 

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

『最小限主義。』、写真集『ジヴェリ』『パールロード』他(Rem York Maash Haas名義)、旅ガイド『スロウリィクロアチア』他

メール info@tablemagazines.com