テーブルのミニマリズム
佐々木典士

先日、紹介した部屋から大きすぎたテーブルを捨てた。

掃除がしやすいようにキャスター付きのテーブルを中古で買ったのだけど、それが到着するまで、小物入れとして使っている箱を、試しにテーブル代わりに使ってみた。

 

ミニマリスト 部屋


……これがすごく気に入ってしまった。

食器を置く場所を最小限にする。

その前に正座して、一口ずつていねいに味わいながら食べると、
食べ物があるありがたさが、ひしひしと感じられる。
なんでもない質素な食事が、素晴らしいものに感じられる。

 

小池龍之介さんの本を読み、坐禅体験に参加してから
ただゆっくりと食べ物を味わうことの素晴らしさに開眼した。
(食べ物を噛んでいるとき、舌は歯にはさまれないように精密に、しかも縦横無尽に動きまわり食べ物をかき混ぜてくれている。そのことにどれぐらいの人が気づいているのだろう?)

 

テレビがあるとどうしてもそれを見ながら食事をしてしまう。
録画した素晴らしい番組を、少しでも消化したくなってしまうからだ。
テレビを手放してから、ゆっくり食べ物に向かえるようになったと思う。コンビニのワインでも、充分に楽しめる。(嬉しくなって布団を片付けた)

ミニマリスト 部屋

 

朝はこんな感じ。

ミニマリスト 部屋

正座しながら、ただ食べ物に向き合うと、気持ちがぴりっと引き締まる。

 

自宅にいながらにして、修行僧になったような気分を味わっている。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。