マクロビオティックで有名な正食協会さんが発行されている月刊誌「むすび」にて環境についての連載をはじめることになりました。
「むすび」さんは歴史ある雑誌で、2018年1月号で通算700号。名前を変えながらも60年も続いている雑誌ということで身が引き締まります。尊敬している、猟師の畠山千春さんも連載を担当されています。
連載のタイトルは「半径5mからの環境学」
第一回めの冒頭を引用します。
ミニマリストとして少ないモノで生活していると、自分が使っているモノがどこから来て、どこへ行くのかより意識するようになり環境にも関心を持つようになりました。環境のために、まず身の回りのことから何ができるのか? 初心者のぼくがさまざまな専門家に話を伺っていく連載がはじまります。
モノを買うということは、そのモノを生産するために使われる資源とエネルギー、流通や輸送に使われるエネルギー、廃棄するときにもかかるエネルギーを消費するということでもあります。相変わらず買い物はしていますが、以前より確実に量は減っていると思います。
環境の先生にこんな話を聞きました。
「石油も石炭も枯渇はしない」
上限がある資源がなぜ枯渇しないかといえば、それは最終的にはおそろしく貴重で高価なものになっていくからです。量が少なくなれば、最終的には金やダイヤモンドと同じ希少性が出てきて、今使われているような使い方はできなくなっていく。使うには貴重すぎるから、最終的にはある程度保存され、枯渇はしない。
海に沈んだ後の世界を描いた映画「ウォーターワールド」では、希少品となった紙や土がお金の代わりを果たしますが、それと同じようなものです。
逆に言えば、将来世代にとっての金やダイヤモンドになる可能性のあるものを今は湯水のように使っているということでもあります。
そんなことを考えると、自分が使う資源やエネルギーもできるだけ減らしていきたいと思いました。今実践しているのは
・買い物は精査して、余計なものは買わない。
・手放すものは捨てるのではなく、売ったりあげたりして次へ手渡す。
・エコバッグを使ったり、余計な包装は断りごみを減らす。調理くずは自然に還す。
・配送料はただでも、エネルギーは無限ではないので、オンラインショッピングは可能なかぎりまとめて注文する。
・フードマイレージやヴァーチャルウォーターを考え、なるべく地元で作られた食品を買う。
・洗剤はできるだけ使わず、湯シャンや食器もお湯洗いする。
・お風呂は可能な限りジムのお風呂を使う
と、一般的にできそうなことは大体やっているつもりなのですがもっと踏み込んで考えたり、実践したい。
ミニマリストを志し、家電を手放してから電気代は大きく減りました。
節電、節水は心掛けていますが、稲垣えみ子さんやアズマカナコさんのようにもっと根源的に節電を実践されている方はたくさんいます。
自給に近い農的な暮らしに憧れますが、本を読んだり文章を書く時間も優先したい。
車や電車や飛行機に乗って、旅をすることも大きな楽しみになってしまいました。
環境のことを考えると、振り返ざるをえないのは我が身の至らなさです。
CO2やエネルギーの計算、核廃棄物の問題など、ぼくの手には負えない領域が環境問題にはたくさんあります。また自分のすべてをそこに捧げたいという気持ちでもありません。ですが、自分にも何かしらできることをしたい。
半径5メートルの身の回りから何ができるか。
どうすれば人は環境へと意識が向かうのか。
そんなことを堅苦しくなく、考え実践できる連載にしたいと思っています。
むすびさんは通信販売のみなので、発売から一定の時期が経てば、ブログでも連載の内容は報告したいと思います。
あるとき、また別の先生からおもしろい話を聞きました。
「人間はまだ種とは呼べない」
なぜなら個体数が安定していないからだそうです。環境の制限のなかで暮らせる個体数が決まってはじめて種になる。
今消費している資源の量を、持続可能な形で生産するのに必要な面積のことを、エコロジカル・フットプリントといいます。
WWFが報告しているこの数字では、すべての人が日本人と同じように暮らすと2.9個分の地球が必要だそうです。(アメリカ人だと5個。インドは0.6個。世界平均は1.7個)。つまり今は、地球の余剰分で生活しているのではなく、元金に手を付けてしまっているということです。
いつか人間が生きることが地球1個におさまり、安心して暮らせるように。