西陽もとめて 引っ越し。      沼畑直樹

突然、引っ越しが決まった。

吉祥寺のマンションから、大きな公園に挟まれた町へ。

マンションから一軒家となった。

 

町から町へ移動するということで、駐車場までの少々面倒な道のりや、たくさんの馴染みのある店や風景をリセットした。

 

新しい住まいの近くには、芝生の美しい公園がまわりにいくつものあるので、これからは夕方を公園で過ごせる。

なにより西陽と親しいエリアにある。人の少ない西側のエリアに、大きな空が拡がっているのだ。

 

 

部屋の数が増えたので、当然ミニマル的な部屋が出現したりして、窓際で仕事すると空が随分見えるのだなあと感心したりしている。

朝から芝生でピクニックすることにキャンプの朝とは別の何か凄い感覚を得た。のが数日前。

それからは猛烈なあのゲリラ豪雨に怯えている(マンションの4階は豪雨でもそれほど怖くなかった)。

 

 

怯えているというのは冗談で、川の氾濫や今いるところの段丘について興味を持つようになった。

吉祥寺は武蔵野段丘の真ん中で、氾濫する川もなく、非常に優れた土地だったようだ。

今の場所は、子どもが遊べる川がある分、そこは低いので豪雨になるとたいへんなことになったりする。

なので、雨になると少々心配事が増える。

 

今日も昨日みたいに雨が降りそうで、夕陽もまったく見えそうにないから、窓のシャッターを閉めた。

でも、この家のまわりにあの広大な芝生公園があるぞと、感じられるのは凄い。

街中の家も楽しかった。元気が出た。

この家も変わらない。賑やかな街じゃなくても、こんなふうに暮らせるなんて知らなかった。

 

 

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この記事を書いた人

『最小限主義。』、写真集『ジヴェリ』『パールロード』他(Rem York Maash Haas名義)、旅ガイド『スロウリィクロアチア』他

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