『ぼくたちは習慣で、できている。』が本日発売。
詳しい内容をご紹介!!
佐々木典士

本日は、「ぼくたちは習慣で、できている。」の発売日です。

電子書籍も同時発売で、本日よりダウンロードできます。

紙の初版部数はなんと3万部!!

なので今回は書店でもお手に取りやすいと思います。

 

どこよりも詳しい内容紹介をしておこうと思います。

今回の本は4章立てです。

1章  意志力は、生まれつき決まってる?

 

良い習慣とは簡単に言えば、目の前にある気持ちのいいこと(美味しい食べ物、深酒、夜更かし、ムダ遣い、だらだらスマホ)に誘惑されずに、将来にある気持ちのいいこと(健康的な肉体、自己成長、規則正しい生活、達成感)のために行動するということです。

 

早起きしよう、ダイエットしよう、定期的に運動しよう、日記をつけよう、部屋を片づけよう。多くの人がそんな好ましい習慣を、新年の目標を立てます。しかし、ほとんどの目標は達成されません(2014年にアメリカで行われた調査では「新年の目標」の達成率は8%でした)。だから毎年決まった時期になると、雑誌は同じような特集で賑わいます。

 

なぜ習慣を身につけるのが難しいのか、それを人間に備わった『双曲割引(そうきょくわりびき)』という本能とも呼べる性質でまずは説明します。双曲割引というのはごく簡単に言えば、人間は目の前にある気持ちのいいことにどうしても打ち勝てず誘惑されてしまうということです。

 

しかし、なぜかその本能に抗え、自分を律することのできる「意志の強い」人たちもいます。そして、自分が決めたことができない理由を人は「私は意志が弱いから」と表現したりします。

弱い強い、で一般的に表現される意志力が、どのように働き本当は一体どんなものなのかを考えるのが1章です。

 

それを解く手がかりであり、この本全体の中心的なテーマともなるのが、心理学者のウォルター・ミシェルが行った『マシュマロ・テスト』です。子どもたちに大好きなお菓子を我慢させたこの実験では、4~5歳の頃意志力が「強かった」子どもたちのほとんどは、成人後も意志力を発揮し、成績や健康状態、人望に至るまであらゆる点が優れていました。

 

それでは「意志力」というのは生まれつき決まってしまっているのでしょうか?

習慣が身につけられなかったとしても、それは生まれつきのものだから仕方がないのでしょうか?

もしそうだとしたら、この本は1章で終わりです(笑)。意志力の実験として著名な心理学者のバウマイスターの「ラディッシュ・テスト」の是非についても検討しながら、意志力の謎を解いていきます。

2章 習慣とは何か?

 

ぼくたちが夜寝ると失い、朝起きると戻ってくるものが「意識」です。全身麻酔をかけられると失うものが「意識」です。

2章で考えるのはこの「意識」の問題です。ぼくは習慣とは「あまり考えずにする行動」、「ほとんど意識を使わずに取る行動」のことだと考えているからです。

ぼくたちは毎日の歯みがきをする時に、どれぐらいの量の歯磨き粉を歯ブラシに載せようかとか、今日はどの歯から磨こうなどど、意識でいちいち決定していません。

 

ではその意識はどんなときに呼び出されるものなのか? そしてある行動がどうやったら、意識を使わずにできるようになっていくのか、習慣となっていくのかを検討します。

 

ぼくたちが普段「自分」だと考えているのは意識なのですが、どうやらその「意識」はぼくたちの行動を決定しているような完璧なリーダーとは言えないようなのです。

そして習慣を構成している3つの要素「報酬」「トリガー」「ルーチン」を説明していきます。

 

ぼくはお酒や甘い物を断っていたり、毎日運動しているので「ストイック」だと言われることがあります。しかし、それは全然違います。習慣に必要なのは、「気持ちいいこと」=「報酬」だからです。

運動を例にあげて、運動習慣のある人が受け取っている「報酬」について説明します。苦しいだけに見える誰かの習慣を見て「ストイック」だと思う時、それは単に自分からその人が受け取っている報酬が何なのか想像しづらいだけなのです。

3章 習慣を身につけるための50のステップ

 

3章は、実際に習慣を身につけるためのステップを50に分けて段階的に説明しています。

どんな怠惰な人であれ、ともかく人の24時間は習慣で埋め尽くされています。

たとえば

「アラームが鳴ったらスヌーズボタンを押す」という習慣。

「やるべきことを明日に先延ばしにして、娯楽を楽しむ」という習慣。

 

だから何かを始めたいと思ったら、今あるやめたい習慣に退場してもらうことが必要です。

まずは、習慣をやめるときのステップについて解説しつつ、次に習慣を身につけるときのポイントを解説していきます。

 

3章が本の中で一番ボリュームがある部分です。習慣に関しての本はたくさんありますが、その要旨を1冊にまとめることができたと思っています。習慣を身につけるにあたって特に効果的だった思うのは、このあたりのステップです。

STEP04 完全に断つ方が簡単

STEP12  やる気は、やる前に出ないと知る

STEP13 とにかくハードルを下げる

STEP18 目標はバカバカしいほど小さくする

STEP20 毎日やるほうが簡単

STEP24 大人の時間割を作る

STEP28 人の目をうまく使う

STEP29 先に宣言する

STEP35 昼寝、パワーナップの効果は絶大

 

4章 ぼくたちは習慣で、できている。

 

1~3章でここまで習慣について考えると、ついでに「努力」「才能」というものの正体を探るヒントまでついでに手にしてしまったとぼくは思うのです。

 

まずは努力という言葉に込められた、「努力」と「我慢」に意味を分けて考えます。

誰かが「努力が足りない!!」という言うとき、それが「我慢が足りない!!」の意味である時、耳を貸す必要はありません。努力は続けられるものであり、我慢は続けられないものだからです。

 

才能も、「才能」と「センス」という意味に分けて考えます。

才能という言葉は他人への称賛のためよりも、何かを諦めるために使われていることが多いのではないでしょうか? センスがなくても、才能には到達できる。ぼくはそう考えます。

 

 

ぼくが考える才能というのは、天から与えられるようなものではなく、

努力の果てに「作られる」ものです。

その努力は、習慣にすれば継続できます。

そしてその習慣は、学ぶことによって身につけられるスキルだとぼくは思っています。

天才が活躍する場面には誰でも憧れるものですが、恐ろしく地味な習慣の果てに天才はあります。

 

 

さらに習慣は「意識が高い」人のためにだけ必要なものではなく、自分の環境について学び、それに関わろうとすることで、成長を感じるという人の「本能」を満たすために必要な考えであることを説明していきます。

 

今の時代は、苦労しなくても簡単に楽しめる娯楽がたくさんあるのですが、それではぼくは人の本能が満たせないと思っています。

 

最後に、本のタイトルともなっている「ぼくたちは習慣で、できている。」。習慣とは、単に早起き、運動、食生活などといった新年の目標になりそうなものだけではなく、もっと射程の広い考え方だと思っています。

 

たとえば話す言葉や、思考の習慣。今目にしているものや、自分が毎日考えている7万ものことが、この瞬間も少しずつ自分を形作り続けています。

 

さて、ぼくはこの本を運転免許の「教則本」のようなものだと考えています。この本を一読しただけで習慣は身につくわけではありません。車に乗れるようになるためには、実際に車に乗って運転してみて、失敗することが必要です。

 

何度か実践してみてうまくいかない時に、ふと開いてみると何かしら参考になるコツが載っている。そんな本になると嬉しいなと思っています。


ぼくたちは習慣で、できている。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。