ブログを書く時間は24時間と30分
佐々木典士

ピカソの好きなエピソードがある。

ピカソがレストランで食事していると、ファンだというウェイターからナプキンに何か絵を描いてほしいと頼まれた。「絵のもちろんお礼はします」と。もしかしたら食事で何かサービスでもするつもりだったのかもしれない。

ピカソはナプキンに30秒ほどで絵を描き、「代金は1万ドルです」と言った。

ウェイターは「30秒で描いた絵が1万ドルですか?」と驚いた。

しかしピカソはこう答えた。「この絵は30秒で描いたものではなく、40年と30秒かけて描けるようになったものです」と。

当時ピカソは40歳だったという。

 

もちろん冗談だったと思うが、一見簡単に描いているように思われる絵に対しての、ピカソの気概を感じておもしろい。

 

ブログを毎日書こうと思ったが、「ネタが続くのか」という不安があった。しかし、今のところそれは問題なさそうだ。1つあたりのブログを書く時間は、朝の30分ぐらいにしたいと思っている。

 

毎日書こうとし始めると、日々の生活のなかで見るものを無意識的に「これはブログのネタになるかな」と探していることに気づいた。もちろん意識的な行動としてそれをメモに取ったりもする。しかしシャワーを浴びながら、頭が勝手に翌日の構成を考えはじめていることもある。睡眠もただの休みではなく、脳が情報を処理する時間だ。

 

だからブログを書くとき、文章をタイピングしている時間は30分でも、それには24時間と30分かかっている。

 

そしてそれは、それだけの時間をかけている、という努力ではない。脳が勝手にブログを意識している時間を増やしてくれている、という感じだ。毎日更新している人をすごい!! 自分にはできない、と思っていたが、だんだんその秘密がわかってきたようだ。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。