習慣を身につけようとするときに、その習慣の名前を魅力的なものに変える、というのはひとつのコツだ。
たとえば
「ピアノを練習する」ではなく「ピアノを弾く」
「英語を勉強する」ではなく「英語を話す」
たとえやり始めたばかりで全然できていなくても、「弾く」「話す」と言えば、間違いではないし、すでに何事かに関わっているようで初期のモチベーションがあがる。
「練習」や「勉強」にはそれ自体に「辛いものを我慢する」というニュアンスがあるので、その無意識の影響を避け、楽しく取り組む。
やめたい習慣にも効果的だ。
「お酒をやめる」といえば楽しいのに、我慢するものという印象が強い。
「お酒はもう飲まなくてもいい」といえば、デメリットで困っていた方の自分に目がいく。
イチローは一球一球打つ課題を課していたという。
それと同じようにすでに習慣になっているものに、そのときに課題にしたいものを名付けるのも効果的かもしれない。
「ヨガをする」→「身体を意識する」
「瞑想する」→「自分の思考を客観的に見つめる」
モノにおいても
「捨てる」→「手放す」
という言葉を使うようにしている。
「捨てる」といえば、誰でも「もったいない」という言葉が連想される。そうして行為のハードルがあがる。
「手放す」という言葉で連想されるのは「必要な人に届ける」というニュアンス。
ただ資源を無駄にしてしまうのではなく、次に必要としている人に手渡すのだ。
効果はちょっとしたものだが、やりたいと思っている行動への距離を、言葉を変えることによって縮めることができる。