ビッグベンとエアロバイク
佐々木典士

昨日は「手放す習慣」をテーマにした講座でした。

 

参加者の方から質問があり

「運動しようと思ってステッパーを買ったのだけれど、つい避けて通ったりしてしまってなかなか身につかない」というものでした。

これにはぼくも痛い思い出があります。

 

 

「エアロバイク」効果

 

大学生の頃、一念発起してエアロバイクを買ったのですが、合計でたぶん30回も乗らなかったと思います。(当時の若い友人たちからもエアロバイクはすごくバカにされました)

 

そしてそのエアロバイクも最初は気にかかっているものの「やっていないこと」が徐々に「風景」と化していきました。服をかける専用機になるのは、あるあるです。

 

習慣にするには「ハードルを下げること」が鉄則なので、家に運動用具を置くこと自体は問題ではありません。しかし家においてしまうと、それをはじめる「トリガー」がないことがあります。いつでもできると思うと、いつしたらいいかわからなくなる。

 

自分への反省を込めて、ぼくはこれを「エアロバイク効果」と呼んでいます。

 

習慣化の合図

 

これはビッグベンなど有名な観光地には住んでいる人ほど行かない、いつでも行けると思うと行かないという「ビッグベン・プロブレム」と同じ現象かもしれません。

家に置いてある運動用具をうまく活用するには、やる時間を決めて「時間」をトリガーにする。

いつもやることと一緒にやる。冒頭の質問者の方には、ドライヤーをかけるときと一緒にやるのはどうですか、とアドバイスしました。

 

いちばんは運動が嫌なものではなく、率先してやりたいことになってから、そういう器具に手を出すことだと思います。

芸能人の方などでも習慣化されている人は、家にジムがあってもうまく使えていますよね。

 

「運動は辛いもの、苦しいもの」から「運動は気持ちいい」「運動しないと気持ち悪い」と自分の頭が転換したときが、習慣になったという合図でもあります。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。