早起きのコツ「チャンクダウン」
佐々木典士

早起きするには、1にも2にも3にも、ベッドに入る時間を決めて、充分な睡眠時間を確保することだと思う。

しかしそうしていても、起きたい時間に睡眠のリズムが合わなくて目覚めづらいことはあるし、今の時期、まだ寒さが残っていて起きづらいこともあると思う。

そんなときは「起きる」という行為を小分けにして考えること。

「起きる」ことを、いきなり布団をはぎ、ガバっと起き上がることだと思うとハードルが高くなってしまう。だから、小分けにした行為をひとつずつクリアしていく。

 

□まず目だけ開ける(体はそのまま寝ていていい)

□その状態になじんできたら半分だけ布団をはぐ

□その状態にもなじんできたらさらにもう半分

□ベッドから外に一歩足を踏み出す

 

最後の一歩外に足を出すときがいちばん大変かもしれない。だから

「一歩足を出したとき、もし立っていられないほどの眠気に襲われたらもう一度布団に戻っていい」という条件を与える。

 

 

実際は目を開けたり、ベッドから一歩足を出してしまえば、その状態に頭が段々慣れて目覚めていく。二度寝してしまうのは、目も開けずにそのままの状態を維持してしまうから。

 

 

ハードルが高い行為は、小分けにする。

そしてひとつずつクリアしていく。

このことを「チャンクダウン」という。

 

 

チャンクというのは大きなかたまりという意味。

チャンクダウンは何にでも応用可能だ。

 

 

スティーヴン・ガイズの『小さな習慣』で挙げられている例がぼくは好きだ。

もし好きな女の子をデートに誘えずにいるのなら、まず彼女のいる方向に左足を一歩踏み出します。次に右足を一歩出します。そうすれば、じきに彼女のいる場所にたどり着きます。彼女はあなたに「なぜそんなおかしな歩き方をしているの?」と尋ねてくるでしょう。それが会話のきっかけになります。

 

今、女の子をデートに誘うならLINEかもしれない。

いきなり送信するのが難しければ、一文字一文字打つことを目標にするのもいい。

 


スティーヴン・ガイズ『小さな習慣』

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。