書評– category –
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鶴見済「0円で生きる」 〜貫かれた倫理〜
佐々木典士鶴見さんの本に、ぼくは何度も救われている。 10代20代の頃は少なからず「生きづらさ」を感じる人が多いと思う。 ぼくも今でこそ、のほほんと穏やかに暮らしているが、しんどいときもあった。鶴見さんが書かれたものがなかったら自死してい... -
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稲垣えみ子「寂しい生活」魂レビュー
佐々木典士ミニマリストとは、自分に必要なものがわかっている人。 大事なもののために、減らしている人。 「ぼくモノ」に書いたこの考えは、今もあまり変わっていない。 必要なものを見極め、そうでないものは削ぎ落としていく。 モノも情報も多すぎ... -
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『星の王子さま』と運命買い。
沼畑直樹床がまた茶色になった。 ここ数週間で妻がせっせと白いペンキをヘラで剥がし、3日ほどで焦げ茶を塗り上げた。 どこかのカフェのような白の世界はシャットダウンされ、再び淡い10ワットの電球が似合う焦げ茶の部屋になった。 白の世界は1年ともたなかった。... -
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書くことは失敗すること
佐々木典士アンジェラ・ダックワースの「GRIT」のなかで、ジャーナリストのタナハシ・コーツの言葉が引用されている。 私のすべての作品において、失敗はおそらくもっとも重要な要素です。書くことは、失敗することだからです──何度も何度も、嫌というほど &n... -
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ミニマリストの「リフューズ」力
佐々木典士スーパーではエコバッグ持参。すでに容器に入っているものをさらにビニール袋で包んでくれようとするのでそれは断る。いろんなところで聞かれるポイントカードも持っていない。 街中で配られているチラシも基本受け取らない。 そうい... -
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東村アキコ「かくかくしかじか」〜変換される言葉 〜
佐々木典士最近は、絵を描くことにも興味を持っていて、美大の雰囲気なんかも知りたいな、と何気なく手にとってみた作品。 東村アキコさんが高校生から漫画家になるまでの自伝的なストーリー。 美大に入りたいと思った東村さんが、入試のためデッサンを学ぼうとする... -
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走ってする後悔はない
佐々木典士村上春樹さんの「走ることについて語るときに僕の語ること」という本の中に、オリンピックランナーの瀬古利彦さんにインタビューしたという件がある。 ――「 瀬古さんくらいのレベルのランナーでも、今日はなんか走りたくないな、いやだなあ、家でこ... -
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山下陽光「バイトやめる学校」〜転がっている才能〜
佐々木典士「バイトやめる学校」の著者である山下陽光さんのことは、確か坂口恭平さんの「ズームイン、服! 」で知ったように思う。 山下さんが作っているのは「途中でやめる」という服。 特徴的なのは「手作りで1点ものなのに、すごく安い」ということ。 &nb... -
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習慣の難易度と充実感
佐々木典士朝5:30に起きるのも、筋トレして7km走るのも、ブログを書き、英語を勉強したりするのもすっかり毎日の習慣になった。 今の自分がしているのはかつて「こんな風に生活したい」と思っていた通りの生活だ。 しかし、習慣が簡単にできるよ... -
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占いはしょうもない?
佐々木典士占いにはまるで興味がなく「バーナム効果」以上のものが何かあるのか疑問だった。 バーナム効果というのはたとえば、 「あなたは他人から見るといつも気丈に振る舞っているように見えますが、実は内面で不安を抱えていることもあります」 「あなた...