「途中でやめる」効果
佐々木典士

習慣のひとつのコツとして

「途中でやめる」

ことを意識しています。

もっとやりたい、というところでやめる。

 

 

もっとやりたいという気持ちに応えて

限界まで突き詰めると苦しいところまでいきついてしまう。

 

たとえば今、性懲りもなく楽器に挑戦しはじめているのですが、

上達を感じて楽しい! もっと弾きたいというところでやめています。

 

ピーク・エンドの法則

 

さらに先に進めて自分ができることを大きく超えてしまうと、やはり楽しくないものになってしまう。1度や2度の限界突破よりも、継続できるほうを選ぶ。

「ピーク・エンドの法則」というものがあります。

人は何かしたことを全体として判断するときに、

楽しかった、苦しかったという感情の頂点(ピーク)と

行為が終わったときの感情(エンド)を記憶しているということです。

 

例えば

1. 冷たい水に60秒間手を浸す。

2. 冷たい水に90秒間手を浸す。

ただし、最後の30秒間は水の温度が上昇する。

 

という選択肢があったとして、「苦痛の合計」は2の方が上のようですが、

実際には2のほうが楽だったと判断する人が多いのです。

 

要するに終わり方が大事。

だからたとえ、楽しくても途中でやめる。

 

 

限界を真ん中に持ってきて、比較的楽にできることで終えるというのもいいかもしれません。

少なくとも、できなかった、という苦痛では終えない。

 

 

そうすれば、脳がその行為全体を楽しいもの、もっとやりたいものとして

受け止めてくれると思っています。

 

 

関係ありませんが

山下陽光さんの「途中でやめる」という服が、コンセプト、デザイナーさんの個性ともに好きです。

 

この服を着こなせる女性がいいな~、のんちゃんとかは似合うんだろうな~

といつも思っているですが、そういう女性が自分の人生と交差する気がまったくしないんですよね。

 

……ブログも終わり方が大事。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。