習慣と例外の関係
佐々木典士

毎日する習慣ができると「例外」がなんとなく嫌になってくることがある。

たとえば旅に出れば、いつもの習慣をそのまま行うことは難しい。

海外なんていけば、ジェットラグで体内時計も狂いそうだ。

 

 

確かに「これが自分の習慣だ」と言えるようになるまでは、例外の日をなるべく少なくして、自分の体に染み込ませるようにしたほうがいいと思う。

 

 

しかし習慣を続けていると、習慣を続けること自体も当たり前になってきてしまう。以前は続けるのが難しいと思っていたものがしばらく続けられると「やった、習慣になったかも!」という達成感を感じられる。それも、しばらくの間しか感じられない。

 

 

今思うのは、例外はスパイスのようにいつもの習慣の味を変えてくれて、新鮮さを取り戻してくれる必要なものだということ。

 

 

習慣が続けられない例外を挟むからこそ、毎日の習慣に戻れたときには達成感が蘇るし、安心もする。例外も同様で、毎日の習慣をきっちりこなしているからこそ楽しめるようになる。

 

 

なにより少々の例外で崩れてしまう習慣であれば、まだ習慣と呼べるほど強固なものになっていないと思う。「形はどうあれ、ずっと続けることになるだろうな」というのが習慣だ。習慣になれば、例外も恐くなくなる。

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。