「偶然」がもたらす効果
佐々木典士

偶然というのは、たまたま起こったというだけで、かなり強い印象を残す。

twitterはリストでチェックしているのだけど、
先日タイムラインで別々の人が「元琴欧洲のブログがすごい」という内容のことを挙げていて、それが連続してTLに流れてきた。

 

こうなるともうそのブログをチェックせずにはいられない。

 

本でも一回おすすめされたぐらいではダメで、
別々の場所でおすすめされているのを2回以上見ると気になってくる。

 

おそらく自分が忘れているだけで、実は複数回目にしているために
印象に残り、選んでいるものは結構あるんではないだろうか?

 

 

偶然に惹かれるというのは、恋愛においても効果的なようだ。
「世界中がアイ・ラヴ・ユー」という映画では、
たまたま意中の相手(ジュリア・ロバーツ)の好きな音楽や絵画の情報を得た
ウディ・アレンが偶然をよそおって彼女に出会う機会を作り近づいていく。

 

 

自分とは違うからこそ惹かれるとも言えるが、
確かに共通点を発見すると、相手への好感は高まりそうだ。

 

 

男女ペアにそれぞれ別に、赤と青のボタンを複数回押してもらうという実験をしたところ、
「同じボタンを押した確率が高かった」という結果を伝えた方が、そうでないよりも相手への好感が高まったそうだ。(実際にどのボタンを押したかという事実とは無関係に、結果だけが伝えられていた)

 

 

今は膨大な選択肢があるので、何かを決めるときに
「偶然」に頼りたくなる気持ちもある。

 

 

どうせ賭けるなら、なんの脈絡もないところではなく
幸運がありそうな「偶然」が発生した場所、というわけだ。

 

 

最後に、ぼくが今まででいちばん驚いた偶然の話を。

 

 

ブロンドで真っ赤なワンピースという映画の中にしかいないような外国人女性と、上野駅のエレベーターで一緒になった。

 

そこから日比谷線に乗ったのだが、気がつくと彼女も同じ列の座席に座っていた。

 

その後ぼくは六本木で降り、映画館で「トランスフォーマー」を見たのだが、見終わって場内が明るくなると、同じ列の席に彼女が座っているのを発見した。

 

 

残念ながら偶然はそこで終わり。
「今までいちばんすごかった偶然」というテーマで友人と話したら、結構楽しいんではないだろうか?

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この記事を書いた人

作家/編集者。1979年生まれ。香川県出身。『BOMB!』、『STUDIO VOICE』、写真集&書籍編集者を経てフリーに。ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は25カ国語に翻訳。習慣本『ぼくたちは習慣で、できている。』(ワニブックス刊)は12ヶ国語へ翻訳。