エンプティ・スペース 018
モノは増えて→そして今 沼畑直樹 Empty Space Naoki Numahata

2019年10月30日


なんだかんだ言って、モノは増えていく。

家族暮らしには避けられない道だ。

引っ越しから1年、部屋は綺麗だが、「常にモノがテーブルの上やカウンターに置かれない状況を作る」という面では、崩れることは多い。

妻が食事を作り、食べ、片付け、子どもがテーブルで何かで遊んで、明日の学校の用意をして、という生活のリズムの中で、小さいものが置かれっぱなしになるというのは、正直仕方が無い。

あくまでそれが普通で、自分がそれをせっせと片付けるのは、「神経質」ということになる。

ミニマリズムでテレビ局の取材を受けたときに、「それは神経質に映るからやめましょう」と言われたことがあった。

食器をいちいち洗うという話をしたときだが、なんとなくその言葉が心の底のほうに定着している。

だけども、私はしつこいところもあって、好きなものはなるべく好きでいたい。しばらくして、やらなくなる習慣や読まなくなる本は誰しもあるが、それをなるべく伸ばしたいと常に思っているので、少し執着する。

だから、子どものカチューシャがいつもキッチンのカウンターに置かれていても、しつこく片付ける。

いつもそうやって片付けているつもりなのに、ある日、その片付けスイッチのレベルを少しあげてみた。

しっかり片付けてはじめて、「最近はちょっと緩んでたんだな」と気づく。

そして訪れる静寂の空間。

今のは1階リビングの話だが、いつもそこで仕事をしている。

会社としての機能もいちおうこの家にあり、2階の部屋のクローゼットの棚の上に書類等はまとめて置いてある。

それを、1階の階段下収納に移動した。

今までは入るわけがないと思っていたが、4つほどの箱にすべてまとまっているので、それを積み上げると普通に入った。

空間を上手に使っていなかっただけだった。

2階の部屋のクローゼット上はからっぽになり気持ちのいい時間が続いたが、やがてそこにはキャンプの寝袋と届いたばかりのランドセルが置かれてしまっている。

そこは、神経質にはならない。

収納の中がからっぽだったり整頓されているのは気持ちが良いが、どちらかと言うと、収納にいろいろ入れて、あまりモノの置かれていない気持ちのいい空間ができるなら、収納の中がぐちゃぐちゃでもいいと思っている。

子ども用のロフトも、しばらく放っておいてる。

ミニマリズムの間が保たれている場所もあるし、そうでもない場所もある。

でも、ミニマリズム空間が長続きしているのは間違いない。


2020年9月23日

最近、ちょうど「モノは増えていく」ということに関して書こうと思っていた。

というのも、モノを持たないことのデメリットを感じることがあったからだ。

7歳の娘は運動がそれほど得意ではなく、フラフープもあまりやったことがなかった。

ある公園のイベントでフラフープを子どもたちがやっていたが、当然娘は上手にできない。他の子たちは娘より小さい子だって上手にやる。

今までフラフープのような遊び道具を買いそろえたことがなく、ホッピングのようなものや、キックスケーターなど、近所の子たちが普通に持っているものがない。

そういう遊び道具が欲しいかきいてみると、ローラースケートのようなものが欲しいという。

今までの感覚だと、吟味し、考え、「やはりジョギングでいいんじゃないか」となる。

今回はまず、買ってあげようと思った。

すぐにアマゾンでフラフープ(大人子ども兼用)と大人用なわとびを買った。

いつも娘は一人でなわとびをしているが、一緒にすることにした。

フラフープも一緒にチャレンジしよう。久しぶりにやったら自分も全然できなかった。

ローラースケートも知識はないが、そのうち何か買ってあげよう。

そう思った昨日なのでした。

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この記事を書いた人

『最小限主義。』、写真集『ジヴェリ』『パールロード』他(Rem York Maash Haas名義)、旅ガイド『スロウリィクロアチア』他

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