沼畑直樹/Numahata Naoki– Author –
沼畑直樹/Numahata Naoki
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連載 エンプティスペース
エンプティ・スペース 013
火の番人
沼畑直樹
Empty Space Naoki Numahata2018年11月 11月、土日は晴れの予報。朝8時からキャンプ道具を車に積み込んで、目を覚ましたばかりの娘と妻の三人で出発する。目的地は東京と富士山を結ぶルートにある、道志川沿いのキャンプ場だ。11月のキャンプは久しぶりで、以前は布団を持ち込みしの... -
連載 エンプティスペース
エンプティ・スペース 012
陰翳
沼畑直樹
Empty Space Naoki Numahata2018年8月30日 建て売りの新築を買ったので、リノベーションした前の家のような個性はもうない。 白の壁紙は正直、面白みはない。 ミニマリズムといって満足できたのも、前の家は壁をペンキで白く塗り、煉瓦を貼ったりしていて個性があったから。 壁紙の白... -
連載 エンプティスペース
エンプティ・スペース 011
間の扱い方
沼畑直樹
Empty Space Naoki Numahata2019年11月 「空間」という言葉は、「からのま」という意味になるが、「ま」の部分は「間合い」「言葉の間」という感じで使われる。 「間」とはなんだろうと、普段あまり考える人はいないが、「間の取り方」を高度に扱えるのが人間だったり、大人だったり... -
連載 エンプティスペース
エンプティ・スペース 010
コーヒースタンド
沼畑直樹
Empty Space Naoki Numahata2018年11月 商店街の中に佇んでいた家から、近くにお店がなんにもない住宅街に引っ越した。 家選びのポイントして「スーパーが近い」「コンビニが近い」といった買い物の条件があるが、スーパーは一番近くても2km。 歩いてはさすがに遠いので、車で行って... -
連載 エンプティスペース
エンプティ・スペース 009
押し入れがなくなって。
沼畑直樹
Empty Space Naoki Numahata2018年8月30日 引っ越しをして2週間ほど。妻と子どもが数日間、実家に帰ったので、ひとりで過ごしている。 ちょうど仕事が忙しいので、朝5時ごろに目が覚めて、新しくできた仕事部屋に籠もっている。 小さな5畳ほどの部屋の窓際に机を置いて、ノートPCに向... -
連載 エンプティスペース
エンプティ・スペース 008
段丘のある公園で過ごす。
沼畑直樹
Empty Space Naoki Numahata2018年8月21日 引っ越しをしてすぐ、新居を楽しむ間もなく、山梨県本栖湖でのキャンプがあった。 ミニマリストのパパスさんと毎年恒例になっているキャンプで、娘と私の二人で参加し、テントをはらずに車で寝るという楽しい行事だ。 そのキャンプから帰っ... -
連載 エンプティスペース
エンプティ・スペース 007
素敵な街の条件。
沼畑直樹
Empty Space Naoki Numahata2018年7月12日 20代後半に住んでいた代官山のマンションが無くなった。跡形も無く、ストリートビューにはショベルカーだけが映っていた。 思い出の詰まった建物がなくなるのは、なかなか寂しい。 ストリートビューはそんなことも伝えてくれる。 久しくその... -
ミニマリストの持ち物
捨てたけど、買い戻した本。
沼畑直樹モノを大量に整理したのは2013年から2014年ごろだから、5年ほど経っている。 本はKindleで発売されているものにして、電子化されていないものはあきらめていた。 それが、ふとしたことから、ある本が「帰って」きた。 友人の家で偶然、なくしたと思ってい... -
連載 エンプティスペース
エンプティ・スペース 006
街を離れるミニマリズム
沼畑直樹
Empty Space Naoki Numahata2018年6月 ときどき、道の向こうがわに青い山が見える、長い並木道。 車の中から眺める風景が好きだったが、この道ともそろそろお別れしなくてはならない。 引っ越しが決まったのだ。 きっかけは、車である店に行った帰り、立ち寄ったオープンハウス。 「... -
ミニマリズム
言語は語順 言語習得のミニマリズム
沼畑直樹心の中で、空がきれいなだと思う。そのときは、たいして言葉にはなっていない。 つぶやくなら、「きれい」。 まわりに人がいても、「この人は何に対してきれいと言っているのだろう?」となる。 なので、それを隣にいる人に伝えるときには、「あの空きれい...