-
ハイテク・ミニマリズム 沼畑直樹
長い間、人々は家の中に何があるかで、自分を表現していた。 人を招き、本棚を見せ、持っているレコードやCD、映画などのコンテンツをさりげなく配置した。 1人暮らしをはじめたばかりの若者のワンルームでさえそうだった。 そこに本やCDがないということ... -
使い切る楽しみ 佐々木典士
ぼくが乗っている車、ロードスターの魅力は本当にたくさんある。そのひとつは「使い切れる」というところにある。排気量は1500ccだから全然大きくも速くもない。しかし一般道では充分な加速が楽しめ、高速でもオーバースピードになりすぎる心配もあまりな... -
半径5mからの環境学 なぜ鹿や猪が増えているのか? 千松信也さんに聞く 佐々木典士
近年、猪や鹿の増加による農作物の獣害について耳にする機会が増えました。京都でも2017年に平安神宮などの有名な観光地にも猪の出没が相次ぎ、たびたびニュースで話題になりました。この問題の背景を、京都の山間に暮らす猟師という目線で見つめられてい... -
なぜミニマリストがマツダの車に惹かれるのか? 後編 「所有」の価値を再発見する 佐々木典士
CX-30 チーフデザイナー柳澤亮氏 やなぎさわ・りょう 1969年生まれ。91年にマツダ入社。05年に二代目BT-50(ピックアップトラック)のチーフデザイナーとなり、07年からオーストラリアに駐在した。11年に4代目デミオのチーフデザイナー、16年からCX-30の... -
なぜミニマリストがマツダの車に惹かれるのか? 前編 美しい間と脳内がコネクトするクルマのはなし。 文 沼畑直樹
ミニマル&イズムの二人は、いずれもモノを減らしたミニマリズム生活のあとに車を購入している。 そして、どちらもなぜかマツダである。 数年前からコンセプトに「引き算の美学」という言葉を使っているマツダ車は、外装と内装において、シンプルでノイ... -
エンプティ・スペース 013
火の番人
沼畑直樹
Empty Space Naoki Numahata2018年11月 11月、土日は晴れの予報。朝8時からキャンプ道具を車に積み込んで、目を覚ましたばかりの娘と妻の三人で出発する。目的地は東京と富士山を結ぶルートにある、道志川沿いのキャンプ場だ。11月のキャンプは久しぶりで、以前は布団を持ち込みしの... -
エンプティ・スペース 012
陰翳
沼畑直樹
Empty Space Naoki Numahata2018年8月30日 建て売りの新築を買ったので、リノベーションした前の家のような個性はもうない。 白の壁紙は正直、面白みはない。 ミニマリズムといって満足できたのも、前の家は壁をペンキで白く塗り、煉瓦を貼ったりしていて個性があったから。 壁紙の白... -
子猫がすべてをなぎ倒す 佐々木典士
【積み上げられたタイヤの中で】 友人からLINEが入る。ぼくが住んでいるアパートの敷地で、子猫が見つかり、ずっと鳴いているという。日本みたいに、野良猫、野良犬はかたっぱしから捕獲!という感じでは全然ないフィリピン。だからそういう動物はたくさん... -
宮下洋一『安楽死を遂げるまで/安楽死を遂げた日本人』 〜結果に優先する納得〜 佐々木典士
素朴な賛成派だった ぼくは人生に対する満足感は、人生が終わる時に来るのではないと思っている。(このことは前にもブログで書いた)いままで行ってきたことが、臨終の間際に採点されて、結果「いい人生でした!」と誰かに認められるわけではない。やりた... -
エンプティ・スペース 011
間の扱い方
沼畑直樹
Empty Space Naoki Numahata2019年11月 「空間」という言葉は、「からのま」という意味になるが、「ま」の部分は「間合い」「言葉の間」という感じで使われる。 「間」とはなんだろうと、普段あまり考える人はいないが、「間の取り方」を高度に扱えるのが人間だったり、大人だったり...